生活習慣病とは

生活習慣病のイメージ写真

欧米化していく食生活と過食や偏食、長年の運動不足、タバコやお酒といった嗜好品の過剰摂取など、日頃の不摂生な生活習慣が引き金となって起きる慢性疾患を総称して生活習慣病と言います。
代表的な生活習慣病には、誰もが一度は耳にしたことがある高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症(痛風)などがあります。
また肺がん、食道がん、胃がん、大腸がんなども生活習慣と関わりがあるといわれています。

生活習慣病の多くは、発症しても初期段階では自覚症状が現れないので、そのまま症状を進行させるようになります。
さらに進むとやがて動脈硬化を招き、気づいた時には、虚血性疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳卒中などの重病を発症していたということも少なくありません。

何もしないまま放っておくと生命に関わる病気を招く生活習慣病ですが、日頃の生活習慣を見直すだけで重症化のリスクを避けることもできます。
その対策とは、食生活の改善と運動習慣をつけることです。
食事面では摂取エネルギーを控えめにする、あるいは栄養バランスを整えることが大切になります。
また運動面では、無理のない有酸素運動で消費エネルギーを増大させたり、心身機能を活性化させたりといったことを行います。

また生活習慣病を発症していなくても、健康診断で血圧や血糖値の数値が高いとの指摘を受けた、肥満を解消したいという場合も生活習慣を改めるようにして下さい。
なお当クリニックでは生活習慣病を発症した方の管理(糖尿病患者様の血糖値のコントロールなど)や日頃の習慣を見直す生活指導も行っております。
生活習慣病を発症している方はもちろん、その予備軍であるという結果を健康診断などで受けた方、一度当クリニックにてご相談下さい。

生活習慣病に対するあさかわ内科クリニックでの診療

検査

血糖、ヘモグロビンA1c、HDL(善玉)コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪については10分程度で結果を出してその場でお伝えできます。

動脈硬化の検査として血管年齢、頸動脈エコーなどを行います。

生活指導

検査結果に基づいてできるだけわかりやすく、具体的に患者様ひとりひとりに見合う生活指導をすることを心がけています。

主な生活習慣病

高血圧

循環器内科のページをごらん下さい。

糖尿病

糖尿病とは、慢性的に血糖値が高い状態にあることを言います。
そもそも血糖とは血液中に含まれる糖分(ブドウ糖)のことで、その濃度が血糖値です。

正常な状態にあれば血糖値は、膵臓から分泌されるホルモンの一種インスリンが働くことで、食事などをすることで引き上がってもやがて下がるようになり、その値は正常に保たれるようになります。
ただ、このインスリンが何かしらの原因で機能不全を起こし、分泌量が少ない、または全く出なくなると、血糖値はそのバランスが保てなくなるのです。

なおインスリンの出が悪くなる原因としては、インスリンを作る膵臓のβ細胞が破壊されることでインスリンが全く出なくなる状態(1型糖尿病)と日頃の不健康な生活習慣(過食・偏食、運動不足、飲酒・喫煙、過剰なストレスなど)によって、その分泌量が少なくなる、もしくは量は充分でも機能しない状態(2型糖尿病)になるという2つのケースがありますが、糖尿病患者全体のおよそ95%の方が後者となります。

血糖値の高い状態が続くと、常に血管はダメージを受けていることになります。
細小血管が障害を受けると眼底(糖尿病網膜症)、腎臓(糖尿病腎症)、神経(糖尿病神経障害) などに障害を引き起こすようになります。
さらに大きな血管(大血管)に障害が発生するようになると脳卒中や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)を招くようになります。
なお糖尿病を発症していると自覚症状が現れないうちに心筋梗塞(無痛性心筋梗塞)などを引き起こすことありますので、心機能に異常がないかどうかを確認する必要があります。
当クリニックでは定期的に心電図、心臓超音波検査なども行います。

脂質異常症

脂質異常症とは、血液中の脂質(血中脂質)のうちLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪などの濃度が慢性的に高い、もしくはHDL(善玉)コレステロールが一定の基準より少ない状態のことを言います。
なお脂質異常症と診断される数値は以下の通りなどです。

  • LDLコレステロール値≧140mg/dL
  • 中性脂肪≧150mg/dL
  • HDLコレステロール値<40mg/dL

細胞膜やホルモンなどをつくる材料としてコレステロールは必要なものです。
ただLDLコレステロールが必要以上に多くなると血管壁のなかにコレステロールが沈着するようになり動脈硬化を招くことになります。
さらに血管壁にプラークと呼ばれる固まりを生じると血管内腔を狭くしてしまい血流の低下を招きます。
またプラークの周辺に血栓(血液の固まり)を生じ、血管を詰まらせるようになるのです。
これが脳の付近で起きると脳梗塞、心臓付近で起きると狭心症や心筋梗塞といった病気を引き起こすようになります。

HDLコレステロールは高比重リポタンパク質(HDL)と結合したコレステロールです。
HDLは悪玉コレステロールを除去する働きをするため、HDLコレステロールは動脈硬化を予防する「善玉コレステロール」です。
これが低下すると動脈硬化が起こり易くなります。
HDLコレステロールは喫煙、運動不足などで低下します。
また中性脂肪の値が高い場合も間接的に動脈硬化のリスクを高め、心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが高まります。

なお、ほかの生活習慣病(高血圧、糖尿病 など)同様に脂質異常症も初期段階では自覚症状が現れないのが特徴です。
そのため、健康診断などでの血液検査等で指摘されて気づく方が多いです。
健診の結果、脂質異常症の疑いがあると診断されたら、とくに症状がないという場合でも動脈硬化の進行を防ぐためにも一度ご来院下さい。

高尿酸血症(痛風)

血液中の尿酸が多くなっている状態を高尿酸血症と言い、具体的には尿酸値が7.0mg/dLを超えるようであれば、同疾患であると診断されます。
尿酸は血液中では、水分に溶けにくい性質のため尿酸塩として存在しています。
そしてこの尿酸が過多になると、針状の結晶が特徴の尿酸塩が次々と発生するようになり、これらが関節などに溜まるようになる(とくに足の親指の付け根)と、激しい痛みを伴う炎症発作を起こすようになります。
これを痛風発作(痛風関節炎)と呼びます。

この痛みは耐え難く、痛風の語源のひとつに「風があたっても痛い」があるほどです。
痛風発作の痛みだけではなく、尿酸値の高い状態を放置しておくと心疾患や腎障害、脳血管障害、尿路結石、痛風結節といった疾患を併発するようになります。

なお痛風の原因でもある尿酸が増える仕組みですが、人体の細胞は毎日の新陳代謝で新しくつくり変えられています。
その細胞の核からはプリン体と呼ばれる物質が生成されるのですが、これが尿酸の元です。
ちなみにプリン体は、レバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなど一部の魚介類に多く含まれています。
さらにアルコール飲料には、尿酸(値)を上昇させる作用があります。
特にビールはプリン体の含有量が多いために注意が必要です。
そこのような飲食物を好む方は、尿酸値が高くなりやすい傾向があります。
日頃より、尿酸値が高いと指摘されている方は、プリン体が多く含まれる飲食物などを避けるようにしましょう。